歯周病と全身疾患の関係について
2019年3月22日
歯周病は歯周病菌が歯ぐきに感染し、やがて歯を支える歯槽骨を破壊していく病気です。成人の8割以上がかかると言われる歯周病は、実際に歯を失う原因のトップとなっています。
しかし近年歯周病は歯を失うばかりでなく、全身にも悪影響を及ぼすことが明らかになっています。今回は歯周病と全身疾患の関係について、お話ししていきましょう。
■肺炎
高齢者においてはお口の中が不衛生であることが原因で、プラーク内の細菌が肺へ感染する「誤嚥性肺炎」が深刻な問題となっています。特に要介護の方は飲み込む力や気管に入った異物を吐きだす力が低下し、唾液やプラークを誤嚥する頻度が高くなるため注意が必要です。実際の研究においても、高齢者の場合は口腔ケアを徹底することで、肺炎の発症を抑らえるという結果が報告されています。
■動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞
歯周病菌が歯ぐきの血管から全身の血管へと運ばれると、その刺激によって動脈硬化を誘発することが明らかになっています。動脈硬化はそこから心筋梗塞、脳梗塞へと発展する可能性が高く、実際に歯周病の人はそうでない人よりも脳梗塞になるリスクが2.8倍にもなるという報告もあります。
■糖尿病
糖尿病になると歯周病が悪化しやすいことは以前から知られており、歯周病は糖尿病による合併症の第6番目に挙げられています。しかし近年はその反対に歯周病が糖尿病を悪化させることが指摘されています。
歯周病になると歯ぐきには様々な炎症物資が作られますが、そのうち「TNF-α」という炎症物には、血糖値を抑えるインスリンの働きを弱めることがわかっています。実際に糖尿病患者さんが歯周病治療をおこなうと、血糖値に改善がみられると報告されています。
■低体重児出産・早産
妊婦の方の歯周病では、低体重児出産(体重2500g未満での出産)や早産(37週未満での出産)のリスクが高くなることがわかっています。
女性は妊娠するとエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が盛んになりますが、歯周病菌の中にはこの女性ホルモンを好む菌が存在しています。そのため妊娠期には通常時よりも、歯ぐきのトラブルが発生しやすくなるのです。
ただ妊娠中の歯周病は上記に述べたようにお母さんのお口の問題だけでなく、お腹の赤ちゃんにも悪い影響を与える恐れがあります。そのため妊娠中は、お口のケアをこれまで以上に徹底するよう心がけましょう。
医院名 | スズカンデンタルオフィス |
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院長 | 鈴木 亮祐 |
所在地 |
〒982-0003 宮城県仙台市太白区郡山6-4-1 |
電話番号 | 022-226-8959 |
URL | https://www.suzukan-dental.com/ |
業務内容 | 歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科・予防・クリーニング・歯周病治療・インプラント・義歯治療 |
説明 | JR東北本線「太子堂駅」より徒歩5分、土日祝も診療している歯医者【スズカンデンタルオフィス】です。当院では、患者さまの気持ちに寄り添いながら、症状を正確に診断し、さまざまな治療法を検討したうえで、適切な治療プランをご提案します。最初から最後まで、院長が責任を持って取り組みます。 |